こんにちは。「どうか、一粒の幸福を」をお手にとっていただきありがとうございます!
短編集を出すのはとても久しぶりで、でもその分楽しく書くことができました。その反面内容が重めのものが多くなってびっくりしました。あなたにも楽しんでいただけたなら幸いです。
一編ごとに書いた感想を書きます。がっつりネタバレあります。
■羊の声に呼ばれたように
大人してるレノックスが書きたかったです。魔法を使うのってつまりは勉強で、(多分北は自力で会得できてる者が多い=できないと死ぬので)家なし魔女、ヒースやシノのように教われるひとがいなかったり悪意を持ってるひとに教わるとだいぶ詰みなの中々厳しいですよね。魔法使いが生まれる率減ってるらしいし、なんやかんやで昔は教わらなくても使えたとかあるんですかね…。
夢主は魔法を教わって、将来村に戻ってもいいけど、自分と同じような境遇の小さな魔法使いのいる村を探して教える、魔法の先生みたいになってたらいいなぁ〜と思います。
■誰が為の懺悔か
一人称視点の、こういう口調で書くの初めてだったので面白かったです。「中央の国は魔法使いへの差別がない」、嘘すぎてフィクションとして最高。元々は侍従ではなく元騎士団長がアーサーを捨てたという話を思いついたのですが、ニコラスが騎士団長やってた時代と計算合わないので侍従になりました。少女時代の王妃に灼かれただいぶどうしようもない夢主です。でも話を持ちかけられた時点でまあまあ詰んでたので普通にかわいそう。環境がどうしようもなかったのかも。
■tiny,tiny jewel
書いてる途中に「これがホントのネームレス・性別不明夢主ってこと…?」と閃きました。名前、あったのかもしれませんが少なくともムルは聞いていないか忘れています。その研究をするには世界がまだ追いついていなかった、というネタは好きです。まあ、今回のはそもそも倫理がアウトだったのですが…。この短編は特に、キャラクターの特別になりたいという願望がとても表れています。
■ぼくらは世界に二人きりでいいの
やっぱり双子には双子をぶつけたいですよね。執着双子×執着双子、最高〜! 何気にダブル夢主は初めて書きました。どっちに感情移入したらいいのかわからなくなるからなのですが、この話に関しては是非どちらにも感情移入してください(別にしなくてもいいです)。双子の閉じた世界をお楽しみください。スノホワはナチュラルに他者を見下しているというか、ともすればフィガロ以上に上位存在ムーヴするよなと思ってます。
■北の国、とある小屋に残された手記より
北の国の魔法使いたちの愛の形はめちゃくちゃかわいい。
ちょっとした仕掛けを直前に思いついて、間に合ってよかったです。今回の本の紙にも合っている演出だと思います。
あなたは有象無象の中の1、たぶんその内忘れられる。みたいなタイプのほぼ世界観夢は好きですか? 私は好きです。ミスラはもう忘れてます。やったね!
巻末には一人称と名前が変換できるページのQRコードを載せていますので、是非そちらもお楽しみください。また、読んだよボタンもぽちっとしていただけるととても励みになります! どの話をどの性別で読んだかなど教えていただけたらもっとハッピーになります。
改めて、最後までお読みいただきありがとうございました。
蜜柑とアイスの共存 熊々楠