蜜柑とアイスの共存
ガバイトの鱗からできた薬は疲れた体もギンギンになる
「っぐ、ハぁ……ァ゛っ、あ」
「キバナ、大丈夫。すぐに終わるよ。だからほら、爪が割れてしまうから、ゆっくり手をほどいて……うん、上手だね。……そう、えらい子」
「っ! ひぁ、ァ゛! あっ、テレスさ、また、あっ、イっぐぅ……!!」
強すぎる快感から少しでも逃れるようにシーツを蹴飛ばしながら、何度目か分からない精をキバナは吐き出した。汗や涙や性液でドロドロになったキバナは一矢纏わぬ姿であるのに対し、テレスは袖が邪魔にならぬようにと軽くまくっただけで、彼の衣服にそれ以外の乱れはなかった。
幾度となく射精を繰り返したことにより、キバナの腹は彼自身が吐き出したものでまみれている。中には重力に従い脇腹や太腿を伝い糸を引くものもある。褐色の肌の色とのコントラストが艶かしく、しかしそれだけの量を快感と共に排出しても、キバナのものはなおも硬さを保っている。体力のある彼でも肩を震わせて呼吸を行っているのを見て、テレスはまだまだ辛そうだと判断した。
小休止の意味合いもかねて、先ほど冷蔵庫から持ってきたペットボトルに口をつける。
「っは……はぁ……ゔ……テレスさん、もっと、もっとしてくれ……」
ねだる言葉に反してテレスの袖を掴む指は控えめだ。彼はテレスが訪れるまで自慰をしていたため、きっとテレスの服を汚さないようにしているのだろう。テレスは口に水を含んだまま彼に口付けた。ごくん、嚥下するのを確かめてから、ぬれた唇をぺろり舐めて離れる。
「……、ん……つめてぇ、」
「汗でぐっしょりだから……水分も補給しないと」
「……な、もっかいやって」
テレスがペットボトルを差し出すと、彼は少し考えてから伺うように尋ねた。ペットボトルを煽ると期待の眼差しがより熱く刺さるのを感じて、もう一度キバナに口付ける。水を飲ませられるなら何度でもしてやろう。しかしキバナは水分補給だけが目的ではなかったらしく、水を受け渡そうとするのを大きな口を開けて出迎えた。これではまるで、キバナがテレスにキスをしているようだ。舌を吸われ、歯列をなぞられながらテレスは思う。水のおかげで多少は冷えた口内もすぐに熱を取り戻していった。ふいに口端から飲み込みきれなかった水がぽたぽたと落ちたが、キバナの分厚い舌がべろりとまとめて舐めとってしまう。
はあ、テレスの頬を熱いため息がくすぐった。手を取られ、キバナが誘導するのに任せれば触れたのは彼の怒張だ。
「テレスさん、オレ、あんたとのキスだけでこんなにしてんだぜ。なあ、もっと触って……ワケわかんないぐらい、あんたにぐちゃぐちゃにされたいんだ」
彼の額を汗が伝う。先ほど射精した時点でも萎えてはいなかったが、腹につきそうなほどそそり立ち血管の浮き出たそれは彼の体格に見合う大きさだ。キバナほど背が高いわけでもないテレスの手にも当然余るほどに。
そもそも、なぜキバナは何度も達しているのに満足しないのか?話は数時間前に遡る。
「あー……疲れた……」
帰宅したキバナはどっかりとソファに座り込んだ。ここ最近はジムリーダーとしての仕事だけではなくスポンサーとの契約の仕事のタイミング重なり、ろくに家に帰る余裕すらないほど多忙を極めていた。
しかし抱えていた大きな仕事が一区切りたち、ようやく少しは落ち着けるようになる。疲れた体と安堵感から、キバナは重力に従うままソファに沈むのだった。その一方で、キバナはつい寝そうになる自身を頭の中で叱咤していた。今日はようやく、数週間ぶりにパートナーに会えるのだ。疲れてるからといってせっかくの時間を無駄にしたくはない。昨日の電話では「会えるのを楽しみにしてるよ」と喜色の滲む声で恋人に言われてしまえば舞い上がるのは当然だろう。大きな仕事が片付いたとはいえまだまだやることは山積みで、一日休みを挟んでからはまたしばらく忙しい日が続くのだから、せめてすり減った癒しを補充したかった。
「……あ、たしかこの辺に……」
以前、仕事関係で付き合いのあった人物に、ドラゴンタイプにちなんだ商品をいくつかもらったことがある。その中には疲れた時用のサプリメントがあったはずだ。ごそごそと棚の中をあさり、取り出したのはガバイトのうろこを使用したというサプリメント。ガバイトのうろこは元々薬の材料の一つとして広く認知されており、キバナがもらったようなサプリメントや、健康増進食品にも使われることが多い。多岐にわたって使用されるほど多くの効能があり、その中には疲労回復もあったはずだ。ラベルを確認するとたしかに認識は合っていたらしく、でかでかとキャッチコピーが書かれている。ざらざらと丸薬を飲み込み、泥のように重くなった思考でよく思い出せたものだと我ながら感心する。
そうすれば疲労困憊の足も少しは力が入るようになり――これはソファに一旦座ったことと、あとは単なる気のせいだが――恋人が来るまでの時間でポケモンたちのメンテナンスをしようと彼らをボールから出した。
疲労に震える足をなんとか立たせながらもユニフォームから部屋着に着替え、ヌメルゴンのための保湿装置のスイッチを入れ、コータスとバクガメスの甲羅を磨いて。そして彼らの夕飯を先に用意したところで、キバナはついに膝を折った。
「……、は……」
顔が……いや、身体中が熱い。それに加えて一際……下半身が、熱い。
キバナは気が付いた。これは疲労ではなく、性欲だ。
何もしていないのに、とんでもなくムラムラした気分になっている。そっと視線を下ろすと、部屋着のスウェットをキバナの中心が押し上げていて「……うわ、」と無意識の呟きは自分で自分に引いていた。
なんだ、疲れマラってやつか?鈍い頭で思考するが、どうも違うような気もする。これまでになったことはあるが、その時はどちらかというと脱力感の方が強かったし、全身が震えるほど熱いバトルを終えた後の高揚感ともまた違う。かといって、風邪のような悪寒もない。
一分一秒毎に燻った熱をつもらせていく身体をなんとか引きずり水を飲む。ひどく喉が渇いていた。
「……あ゛ぁ゛……くそ、あっちぃ……」
心配そうに覗き込むかわいいポケモンたちを撫でて、起き上がったはずのソファへ再び沈んだ。硬い何かに背中を圧迫されそこを漁れば、先ほど取り出したガバイトの薬。なんだ空き瓶か……とテーブルに置いたところで、キバナははたと気付いた。
さっき飲んだガバイトのうろこサプリメント、オレは一体何錠飲んだ?
朦朧とする頭で対処法を検索すれば、同じようにやらかした人間がいたらしい。結局は「出し続ける」しかないことを知りついに思考が止まった。俺は今疲れてて、もうすぐ恋人が訪ねてくるはずで、ポケモンたちが心配してて、とにかくめちゃくちゃエロいことがしたい。
「……ゔぅ゛ゔ〜……あ゛〜……くそ……」
獣じみたうめき声を出してもつゆほども気は紛れない。尚も覗き込んでくる愛しのポケモンたちにあの人がきたらこれ見せて、と検索ページのままのスマホロトムと空の瓶をわかりやすい場所に置き、一人寝室へと引っ込んだ。
寝台の上でスウェットと下着をずり下ろすと、勢いよくそそりたったものが出てくる。先走りも出てないのにこんだけ勃ってるのも中々見ないな、と現実逃避を始めた頭の片隅で思った。いつもと同じように手淫をすると、先ほどの錠剤の影響か、いつもより目に見えて高まりが速いのを感じる。
(……はあ、これ、テレスさんがくるまでに治んなかったら、帰ってもらうしかないよなあ。……でももしテレスさんがそのままセックスしてくれたら……あ、やべ、すげークる……)
愛しい恋人の顔を思い出す。なにもオカズにするために思い出したわけではないが、身体は正直なのだから仕方が無い。まあ、でも、恋人だから合法。なんてよくわからない言い訳を自分にして、竿を擦る手を速めた。
「っあ……あっ、あ、イく……っ、ぁあ゛~……」
己の荒い息遣いだけが聞こえる部屋の中で、再びキバナは吐精した。今ので四回目だが、全く衰える気配はない。ネットにはそれこそ何十回も……と書いてあったのを目にしたが、さすがに盛りすぎだろうと話半分にしかみていなかった。しかし己の現状を見るに、あれは誇張なしの真実だったのかもしれない。ただ義務のように抜くのもそろそろ虚しくなってきたなぁとスマホロトムを探して――リビングに置いてきたことを思い出した。一旦汚れた下半身含め仕切り直すかと腰を上げかけたところで、寝室の扉が開く。
「キバナ……?大丈夫、……では、なさそうだね」
様子はひと目で見てわかる上、部屋に充満した臭いも嗅ぎ取ったのだろう。待ちに待った愛しの恋人は、バクガメスたちから渡されたらしいスマホロトムを片手に近づいてきた。
「……すごく赤い顔してる」
外から来たばかりだということもあるのだろうが、テレスの手がとても冷たくて気持ちいい。心地よさに目を閉じて、あふれる感情をそのまま言葉にした。
「……ゔぅ……テレスさん……好きだー……」
「えっと……うん、知ってる……私もだよ」
「オレとえっちしようぜ……」
ムードもへったくれもないキバナの言葉にテレスはふふと笑った。さすがに怒られるかもと思っていたから意外な反応にテレスを見上げた。するとキバナの眼前に迫っており、唇が重なる。
「滋養強壮とかって、やっぱフィクションみたいにめちゃくちゃに乱れたり〜……とかにはならないんだね」
「……テレスさん、そういうプレイ、したいの?」
現時点でめちゃくちゃになってなくても、今からあんたにめちゃくちゃにされたいんだけど……。とは言わずに聞いてみた。
「……ふふ、いや……私とセックスしたくてガバイトのクスリがぶ飲みするキバナがかわいかったから今日はそれで十分。でも、いくらサプリメントだからってがぶ飲みは危ないからね。もうしたらダメだよ」
なだめるように頭を撫でられて、それにふわりと気分が浮き上がるがすぐさま聞き捨てならない言葉に気付き否定する。
「がぶ飲……いや違うからな!? たしかにガバイトのサプリは飲んだけど、別にセックスのためじゃなくて最近の疲れがとれればって……」
「え、いまさら誤魔化すの?」
「だから違うって!!!」
キバナは必死に首を振った。サプリをがぶ飲みしたのは完全にキバナの過失だが、その理由を誤解されるのはあまりにもいたたまれない。当のテレスは「はいはい」と笑っているが、本当にキバナの言いたいことがわかっているのか疑わしい。
(セックスしたさにクスリに頼ったと誤解されるとか、あまりにもダサすぎる。そもそもそれで襲ったら普通に犯罪だろ!)
「キバナ、ハンガー借りるね」
「──…あ、ああ」
見れば、テレスがジャケットを脱いでいた。クローゼットを開けて上着をしまう。袖のカフスをまくり直すのをみて……ああ、自分は今から抱かれるのだと胎の奥が期待にうずくのをキバナは感じ取った。
──しかし、テレスはその期待を粉々に打ち砕く。
「期待してるところ悪いけど、今日は挿入はしないよ」
「えっ」
「出さないと収まらないんだよね? キバナ、後ろいじったらウェットでイけないでしょ」
「な……生殺しだろそれはーーー!!? ……っていうか、テレスさんはオレさまのこと抱きたくないのかよ?!」
こんなにカッコよくてエッチな恋人なのに!? そう叫ぶがテレスはにこりと笑って返した。
「うーん……。たまにはこういうプレイもいいよね」
「へ、ヘンタイだ……」
「お互い様でしょ。その代わりにそうだね……挿入以外で、キバナのしてほしいことやってあげるよ」
「え、じゃあテレスさんがオレのちんこ舐めてるとこ撮って良いか?」
ノータイムでキバナは答えた。前々からやってみたいとは思いつつもタイミングがはかれず口に出せなかった欲求だ。しかしここ最近の忙しさでキバナは実感した。全年齢写真だけではなく、R-18指定の写真や映像は、必要だ。
「急にイキイキしだすな君は……。うーん……しかし撮影か……」
「ダメか? いま使ってるのはロトムが入ってるのもあるし、昔のスマホつかうつもりだけど」
「うーん……じゃあいいよ」
「よっしゃ」
そんなこんなな経緯があって、しかし今現在使っていないスマホの電池が残っているわけもなく。充電を待つ間にじゃあ手でしてあげようか。という流れになり冒頭へ戻る。
スマホを持つキバナの手は興奮に震えている。彼との2ショットはいくらでも撮っていたが、ハメ撮りをはじめとした性行為の撮影をすることはなかったから、これが記念すべき初撮りだ。ベッドサイドに腰掛けたキバナは、カーペットの敷かれた床に座り、膝の間に入り込んだテレスを見下ろす。フレームの中に自身のそそり立ったものと恋人の顔が一緒に収まっていることに、恍惚のため息が漏れた。端正な顔立ちの恋人の頬に、自身の性器が当たっていることに背徳感ににた何かを覚える。彼の髪にくすぐられてこそばゆいと思うよりも、微量の快感に変換してしまうほど自身の頭が茹だっていることをキバナは再認識してしまった。ばちりとカメラ越しに視線が合う。
「……はじめていい?」
「うん、」
頷いて画面上の赤いボタンを押せばポロン、軽快な音が鳴り録画が始まったことを知らせた。その音を合図に、テレスは舌先を出して先端を舐めはじめる。キバナはごくりと唾を飲み込んだ。……が、なんとも言えない表情で彼が口を離した。
「すごい味が……する……」
それはそうだろう。キバナは何度も射精している。うーんと首をかしげたテレスに焦りキバナは尋ねた。
「……やっぱ、やめとくか?」
「ううん。……ふふ、今日はもうキスできないかもね」
目を細めてにや、と笑い、彼はそのまま大きく口を開けてキバナのものを頬張った。たっぷり出ている唾液をこすりつけるように舌が裏筋をなで上げ、かとおもえばジュウッと吸い立てる。
「ァ、っひ……」
反射的に膝が浮いた。幾度となく身体を重ねたことにより、互いにどこが感じるかなど知り尽くしてしまっている。それが手による愛撫であろうと、口によるものであろうと同じことだ。的確に"イイところ"を攻められて、スマホを握る手がブレてしまう。下からすくい取るように彼はスマホとキバナの手を握り、キバナのものをしゃぶりながら微笑んだ。
「キバナ、……ひゃんと、撮って」
歯がかすり、さらに甘やかな快感が走る。キバナの手に力がこもったことを確認してテレスは手を離した。そしてそのまま鼠径部から足の付け根のラインをなぞり、キバナの男性器の周りをくるくると指を遊ばせる。キバナの陰毛は、ファッション一つとして──パートナーへの気遣いというマナー的な意味もあるが──定期的に整えられている。剃られた感触を面白がっているのか、テレスはここで指を遊ばせることがままあった。──その行為もキバナにとっては性行為とセットで行われることがほとんどだから、また期待をして呼吸で必要なもの以上に、腹を収縮させてしまうのだが。
「っふ、ァ……あ、テレス、さん……そこ、いい……ん、ンッ……」
しばらくして気が済んだのか、彼の手はずっしりと重い陰嚢をもみしだいていた。また、さいきほどよりもさらに硬さを増したキバナを舐めるのも続いている。時折顎が疲れるのか口を離しながらも、再度咥える時にはさらに奥へ奥へとキバナのものを迎えていった。はあはあ、興奮と快感に息を荒げながら、空いている手で彼の髪をすくい耳にかけてやる。うつむいたことで隠れてしまった目元もよく見えるようになり──そして、目元を赤く染めて蠱惑的に微笑んでくるものだから、腰はズンと重くなっていく。自分から言い出したくせに、このままスマホをほっぽりだして、彼の頭をつかんで欲望のままに腰を打ち付けたいという欲求と、ずっとキバナに施しているばかりでまったくの手つかずになっている彼の性器を、今すぐに自身の尻にぶち込んで欲しいという欲求のどちらもあった。
(ホントに、生殺しだ……)
彼のせいでは微塵もない。むしろ自身が招いたことであるのは百も承知だが、せめてもの意趣返しとして快感に震える膝に力を込め、つま先で彼の股ぐらを探る。スラックスを爪先でなぞれば、彼もしっかり興奮していることがわかり口角があがった。
「っなあ、アンタもさ、これ……っァ、脱がねーと……、は、……シミになっちまうんじゃないか?」
キバナの声に反応したのかそれともタイミングが一致しただけか。じゅる、キバナの先走りと彼自身の唾液が混じった液体を飲み込んで、ついに喉まで達したらしい。鬼頭に密着する粘膜がこれまでとは段違いの快感を生む。ぐぷ、こもった水音が耳に届いて、手汗で落としそうになるスマホをしっかりと握りながら、キバナは呻いた。
「ハッ、ァ、も、やばい……イきそ、……っあ、あ、あ」
喉奥で、テレスは嚥下する。ひときわ高い声をあげてキバナは射精した。テレスの眉が苦しげにひそめられるが、それでも彼は離さずにキバナの精液を口で受け止める。やがて尿道に残ったものもちゅう、と吸い取りスマホを見上げて、口の中を開けた。舌の上には、いましがたキバナが出したものが乗っている。見せつけているのだ。じくじくと冷めやらぬ熱を自覚して、ああ、まだ足りないと乾いた唾を飲み込む。
射精後特有の脱力感に襲われながらもティッシュをたぐり寄せたキバナは彼に渡すと、素直にぺっと吐き出し顎をさすった。
「やっぱり顎疲れるね……。あ、これも見せた方が良い? ……わっ」
ティッシュの中身をスマホの前に掲げようとする彼に何も答えず、スマホをベッドの上に放って彼に口づけた。面白がっているのか舌を差しだしたのはテレスからで、恋人との甘いキスのはずなのに口内に広がる苦みにキバナは盛大に顔をしかめた。
「ヤバイ……不味い……死ぬ……」
「その理論だと、私はとっくに死んでるね」
「オレさまが死なせねえ」
「わはは、頼もしい」
口直しを求めた先のペットボトルの水は既に半分以上減っていたこともあり、二人ですぐに飲み干してしまった。しかしキバナの口の中にはまだ形容しがたい味が残っているし、それをずっと味わっていたテレスはなおのことだろう。ずっとテレスに触ったり触られたりしたい気分と、口の中をリセットしたい気分と、テレスをいたわりたい気分が戦った結果、勝ったのはもちろん三つ目だ。
「あ~……。一回水飲んで風呂入って……仕切り直すか」
「もう大丈夫なの?」
「いや……めちゃくちゃセックスしたい……。テレスさん、今日はオレに抱かれてみないか?」
「え~、どうしようかなー。ていうかお腹空かない?」
「空いた……空いたけど……焦らすな~……」
寝室を出るために立ち上がったまま、彼の肩口に額を埋める。そのままぐりぐりと首を左右にひねれば、笑い声とともに優しく撫でられる感触があった。
まだ夜は長い。その後二人がどう過ごしたかは、彼らのみが知る。
2020/01/11
メッセージは文字まで、同一IPアドレスからの送信は一日回まで
現在文字数 0文字